神奈川県立美術館葉山館で開催されている片岡珠子展に行ってきました。
日本画のことは全然知識がないのでそんなに期待はしていなかったんだけども、ところがどっこい、どんどん作品を見ていくうちに珠子ワールドにはまってしまった。
初期の頃の作品は日本画らしい(あくまでわたしのイメージの中で)写実的な作品が多く、それも色合いがとてもきれいでいいなぁと思っていたら、後期になるに連れどんどん作風が変わって、珠子が自分を爆発させていったかんじが強く現れ、富士山シリーズ、そして面構えシリーズと力強く、色濃い作品となっていった。面構えシリーズを見ていると、珠子さんははグラフィックデザイナーなんじゃないか?と思ふ。近年の作品でも色使いや構成が大胆で、「え、これ百歳近いおばあさんが描いたの?」と思うくらいモダーン。雪舟の絵を真似た水墨画と雪舟の人物画をバチっと3分割に構成した作品とかほんとに斬新。絵の中にストーリーがあるというか、イラストのようなちょっとコミカルな感じもするんだけど、それとはまた全然違う深みというか意思のような力が放出されていて、絵というものの強さを改めて感じさせらました。そこがやっぱ画家なのかね。
個展は絵を見る面白さもあるけど、その人の人生の移りかわりが良く解るからお腹いっぱいで満足。珠子さんの力強さとか茶目ッ気とか、女パワーに圧され、ついでにわたしも葉山の海に女性ホルモンを放出させてきたわけです。
この美術館にくるのは2回目で前は秋だったけど、いつ来ても気持ちのいいところ。
海もあるし、山もあるし、ところどころいい店があって、ゆっくり楽しませてくれる。
真っ白な漆喰の小さな郵便局の上にはギャラリ−ときなりというかわいいお店があります。
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